Orville by Gibson LPC-57B
Orville by Gibson製のレスポールカスタム「LPC-57B」です。シリアルから見て94年製のフジゲン製です。
通称「バイギブ」。
バイギブについては下記もご覧ください。
この個体のように1桁目と2桁目の間に空白があるシリアルパターンの個体は特別なモデルだと聞いた事があります。
「LPC-57B」自体はカタログに掲載されていますが、ほぼこのシリアルパターンな気がしますね。
スペック
ボディ&ネック:マホガニー(オールマホガニー)
指板:エボニー
PU:Gibson 57Classic×2
ペグ:GROVERタイプ
まとめ
オールマホガニー、エボニー指板、ディープジョイント、フレットエッジバインディング、そしてPUはギブソンの57Classic搭載と本家に引けを取らない豪華仕様となっています。
「LPC-57B」はカタログ掲載モデルでレスポールカスタムの上位モデルですがフジゲンも寺田楽器も製造しています。
私が見た個体から「LPC-57B」でもフジゲンと寺田では若干仕様が違うようで、
・フジゲン製はディープジョイント、本家同様エボニー指板が黒い
・寺田製はディープジョイントではなく、エボニー指板が縞エボニー(ローズっぽい)
もちろん年代、個体によって上記とは違う仕様の個体がある可能性は高いです。
皆さん、指板が分かる画像やPUキャビティの画像なんて見せてくれませんから、、、自分が見た個体だけでの判断です。
余談 バイギブの上位モデルの見分け方(あくまで主観)
◆レスポールスタンダードタイプの見分け方は
・ボディがフレイムトップならLPS-FM。無垢トップの最上位モデルですが同じようにフレイムが入ったイレギュラーなオーダーモデルも存在するので判断は難しい。PUキャビティのザクリ部分を横から見てトップに薄い板が貼ってなければFMの可能性は高い。いずれにしても上位モデルで間違いないと思います。
・ボディトップがキルトトップの場合は最上位の「LPS-QM(無垢)」か一個下のグレード「LPS-Q(張り)」があります。これの判断はFMと同じようにPUキャビティのザクリ部分を横から見てトップに薄い板が貼ってあるかないかなんですが、こちらもイレギュラーなオーダーモデルも存在するので、、、ただこちらもいずれにしても上位モデルになると思います。
まあ、結局バラシてみないと分からんです。ただバラしてみても分からん可能性もあるかも、、、。お役に立てず、、、。
◆レスポールカスタムタイプはLPC-57Bかそうでないかの判断ですね。
・私はまずペグを見ます。ペグがグローバータイプなら「LPC-57B」の可能性が高いです。これはほぼ間違いないと思います。(もし交換&補修されてたら分かりませんが)
・次はPUが57Classicかどうか。モデル名に57と入ってますので基盤PU、ギブソン刻印タイプや刻印ナンバードPAFの場合はLPC-57Bでは無い可能性が高い。
・次はシリアルのパターン。この個体のようにフジゲン製なら1桁目と2桁目の間に空白があるか。寺田製なら「G〇-〇〇〇〇」などG3と4桁数字の間にハイフンがあるか?(これは「Gハイフンシリアル」と呼ばれていて山野楽器さんオーダーらしい。)
「LPC-57B」はほぼ全てこの2パターンのシリアルでした。
・LPC-57Bは私が見た限り92~95年製造です。ただ後期の95年製は1本しか見た事がありません。過去10年間にオークションで落札されたのは93年製が多いように感じました。私が見た限り寺田製は93年製しか見た事がありません。
◆PUについて
92年94年辺りの個体で特にショップオーダーと思われるカタログ外の個体に刻印、シールなど何もないPUが付いている事があります。(特にフロントPU)これはシールが貼っていないGibson 57Classic(ノンステッカー)らしいです。私も2度ほど扱いましたがハンダを触ったような形跡が無く、なんだろう?と調べてみたら確かどこかの楽器店の情報でそのように見ました。(確証はありません)
初期物について
色んなメーカーの色んなモデルで価値が高いとされる「初期物」。
大体が材やパーツを「良い物」から使うので初期が良いとされる事が多いと思います。
ただバイギブに関しては逆に材やパーツが良くなっていく印象ですので初期物の価値は高くないです。もちろん市場での相場からの判断です。
初期の個体が好きと言う方もいらっしゃいます。
良いとか悪いとかではありません。
余談 カタログ外「LPC-57BB」について」
◆カタログ外の「LPC-57BB」について。
これは知りたい人も多いんでしょうね。私も知りたいです(笑)
何度も調べたりもしたんですが結局分からず終い、、、今回は気合を入れて各所へ質問などもしてみましたが当然当時を知る人がおらず分からない。(グレコSA900の時と同じです)
想像の域を出ませんが私の知る情報も交えて書いてみます。
「LPC-57BB」とは?
・カタログ外モデル。
・フジゲン製造(たぶん)
・材などの仕様はフジゲン製の「LPC-57B」と同じだが更に厳選された材を使用している。これがもっとも重要な違いのはずですが目検でもっとも分かりずらいというね、、、。(私は見ても分かりません)
・BBはラッカー塗装(ネット情報。例えそうだとしても目検では分からないかも)
・BBは「ごく少数ロットで1度だけ山野楽器オーダーで作られた。」「多分92年か93年。」これも過去に見た情報で現在では情報元も分からなくなっているので確証はありません。
これはだいぶ前に「LPC-57B」を出品した際に質問された方がいたんですが「これはLPC-57BBですか?」と言う毎回聞かれる質問。
その際のやり取りでその方が「配線材が全てGibsonなどで使われている網線(シールドワイヤー)なら、特にトグルスイッチの配線までも網線ならBBの可能性が高い。」と言われました。
そんなの変えてたら分からないのでは?とも思ったんですが私が過去に扱った「LPC-57B」3本とも「全て網線の仕様の個体」ではありませんでした。
ん~~~。どうなんでしょうね、、、。
当時の保証書が残った個体などが出てきてくれるとそれ基準で考えられるんですが、小ロット製造だけあってかなかなか出てこないですよね。
この手のは既に海外のコレクターの方が所有していてスペックなど画像も沢山載せてくれてアップしてくれてる事が多いのですがBBに関しては見つかりませんでした。
どなたか情報があればお教えくださいm(_ _)m
総まとめ
考察シリーズはかなり沢山の方に見ていただいており、少しでも誰かのお役になっていれば幸いです。
特にこの2記事↓
今回書いた余談も別ブログでと思ったんですが確証がない検証が多かったのでこちらにまとめちゃいました。
ただまあ、分からない事は分からないままの方がロマンがあって良いのかもしれませんけどね。
以前にも書きましたが例えばフジゲンさんなんかですとあらゆるメーカーのあらゆるモデル、特殊なオーダー品や限定モデルもとんでもない数を作っていると思われ、現在ぐらいデジタル化があれば資料も残っていたんでしょうが、当時は資料は作っては捨てていたのも多かったそうですし、人の記憶も時間が経てば曖昧になってくるでしょう。
例えば当時の職人さんや営業さんに「こう言う特殊なモデルがあるんですが知ってますか?」と聞いても「自分が作ってないから知らない」となるでしょうね。
例えその方が作っていたとしても毎日、毎週、毎月、大量に作っているでしょうから「作ったと思うけど覚えていない」が普通だと思います。
30年、40年前の事なんてよっぽどじゃないと覚えてないですもんね。
だからこそ当時を知る方からの情報が見れたり聞けたりするのは例え「曖昧」だとしてもそれは感動ですよ。その方にとって「よっぽど」と言う事ですから。
私のように調べていたりする人間にとってはですけどね。
改めて書きますが考察系の記事は全て私が見て聞いて思った事を書いています。まれに想像も含みますが^^;。
もちろん間違っている事もあると思いますがご指摘いただければ訂正、削除もいたします。
お教えいただければ追記させていただきます。
情報、お待ちしております(笑)
本日も最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m
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